かんぽ生命の二重払いをわかりやすく解説!あなたの家族は大丈夫?

最近テレビで話題のかんぽ生命の二重払い問題。町の郵便局がおすすめする保険に加入している人も多いことでしょう。

そんな身近なかんぽ生命が今、二重払い問題を起こしトップが謝罪するまで発展していることに驚いている人も多いと思います。しかし、そんな身近な存在だからこそ、自分は大丈夫かな?と心配になっている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、かんぽ生命の二重払い問題について、わかりやすい言葉を使って解説していきたいと思います。ぜひみなさんも、自分の保険内容と照らし合わせてチェックしてみて下さいね。


そもそもかんぽ生命とは?

そもそもかんぽ生命とは?

かんぽ生命とは、2005年小泉内閣のもと行われた郵政民営化改革によって、郵政公社時代の保険事業を引き継いで株式会社として設立された、保険会社のことです。医療保険や養老保険、年金保険などを中心とした保険で、郵便局ならと安心して入る人も多い人気の高い保険でもあります。

かんぽ生命の保険は、多くが満期型の保険であるため、貯蓄にも使えるのが特徴です。そのため、初めて入る生命保険に選ぶ人もいれば、今後の生活を考えて入る人もいます。

かんぽ生命の二重払い問題とは?

かんぽ生命の二重払い問題とは?

かんぽ生命で起きた二重払い問題ですが、簡単に言えば保険に重複して加入していたために、二重で保険料を顧客が支払っていたというもの。しかも、こうした保険の二重払いは2万件にも上ると言われており、かなりの年月の間この問題がかんぽ生命側で横行されていたことがわかったのです。

でもどうして、二重払い問題は起きてしまったのでしょうか。

大きな原因は新規契約と乗り換え契約の違い

新規契約とは、新たに保険に入ることを言い、保険の営業マンたちの手当ても多いのが特徴です。一方乗り換え契約とは、既に加入している保険から新たに別の保険に変えることを言います。

乗り換え契約は、新規契約に比べて手当てが少ないため、営業マンとしては、できれば新規契約を多くとりたいものなのです。しかし、乗り換え契約は例え加入中の保険を解約してから別の保険に入っていたとしても、それが締結前3か月~締結後6カ月中に解約したものであれば、乗り換えとみなされてしまうため、営業マンとしては頭が痛いところだったのです。

そこで、横行されたのが二重契約です。既存保険に加入したまま、新たに新規保険に加入し、6か月経ってから既存保険を解約することで、乗り換えではなく新規として扱われます。このケースについて、わかりやすいように具体例でも紹介しましょう。

二重契約の具体例

例えば、4月に既存の保険内容を見直し、既存保険(旧保険)を解約して新規保険(新保険)を加入することにします。この場合同じ月に契約と解約が行われたので、乗り換え契約とみなされます。


1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
新保険


契約







旧保険


解約








乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 新規

つまり、このケースでは保険内容が正常に移行されたということになります。しかし、営業マンの成績は乗り換え契約とみなされて、評価は下がります。

一方、今回問題として挙がっているのが次の例です。同じように4月に保険内容を見直すこととしましたが、営業マンによって既存の保険が契約後6カ月以降の11月に解約されたため、4月から10月までの間に2つの保険に加入されていたことになります。


1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
新保険


契約







旧保険









解約

乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 新規
問題


重複
払い
重複
払い
重複
払い
重複
払い
重複
払い
重複
払い
重複
払い


結果として、顧客は本来1つでよい保険に2つ加入していたことになります。しかし、営業マンとしてみれば、11月の解約によって新規契約とみなされるため手当も増えます。

こういった二重加入による手法は、営業マンたちの間では常習的に行われてきたという話も報道の中で出てきており、2016年ごろから行われるようになってきたとも言われています。そのため、2016年前後に保険内容を見直したことがある、という人は今一度契約内容を確認するか、毎月の保険料の支払い状況を確認するのがおすすめです。

かんぽ生命で無保険状態問題も!

かんぽ生命で無保険状態問題も!

かんぽ生命の二重払い問題ですが、実はこの問題には他にも深刻なケースが付随しています。それが、無保険状態です。無保険状態とはつまり、保険に入っていない状態のことを言います。

今回のケースでは、営業マンが故意に乗り換え契約から新規契約につなげるために、時期をずらして二重契約を取っていたということがわかっています。しかしそれ以外にも、既存契約の解約から新規契約の時期を3か月ずらすことで、敢えて乗り換え契約ではなく新規契約に結び付ける方法がとられていました。

そのため、解約から契約まで期間が3か月以上無保険であるケースもわかったのです。つまり、この間に事故や病気など保険の支払いがあるべき事態が起きたとしても、対象外であったということがクローズアップされているのです。

こちらについても、わかりやすいよう具体的な例で紹介します。今回も、4月に既存の保険(旧保険)を見直し、新規契約(新保険)を結ぶことにするとします。


1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
新保険


契約







旧保険


解約








乗換乗換乗換乗換乗換乗換乗換乗換乗換乗換新規

この場合は、二重問題でも説明した通り、乗り換え契約として扱われます。そのため、顧客として何ら問題はありません。

一方、同じように4月に既存の保険(旧保険)を見直したことで既存の保険(旧保険)を解約しますが、営業マンによって契約は8月に行われたとします。そのため、契約内容にもよりますが、解約した4月から7月までは保険に未加入状態になるのです。


1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
新保険






契約



旧保険


解約








乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 乗換 新規



問題


無保険 無保険 無保険 無保険




ちなみにこの無保険状態は、なんと4万件以上の例があったと報道されています。本当に必要な時期に保険に未加入だったという事例もあったため、事態は非常に深刻な状態に陥っていると言われています。

尚、次の動画では今回の問題の背景や、もっと具体的な顧客の不利益について 紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。


まとめ

・2016年前後にかんぽ生命の保険内容を見直している人は二重払いしていないかチェック!

・今回の問題は二重払い以外にも無保険問題も併発している!

・まずは契約内容や支払い状況の確認をする!

かんぽ生命では、現在過去の事例をさかのぼって、顧客に不利益が生じていないか確認を取っているとのことでしたが、すぐにでも知りたいならばまず自分でも契約内容や支払い状況を確認することが大切です。ぜひ皆さんも今一度、自分の保険の状況を確認してみて下さいね!